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2・69図 主軸受けの構造と注油孔

 

10) 主軸受メタル(ジャーナルメタル)

主軸受メタルは主軸受ハウジング内に納められ、内面でクランク軸のジャーナル部を支えクランク軸を回転させるメタルである。メタルは衝撃力に近い大きな力を受けるためこれに耐え、摩耗が少なく、熱伝導の良い材料が要求される。従来は厚肉のホワイトメタルが使われていたが、最近の機関は高出力化により、クランク軸の軸受部を焼入硬化しているため、連接棒大端部メタル同様耐圧荷重が高く耐疲労強度、耐腐食性、に優れたケルメットやアルミの三層メタル(完成メタル)が多く使用されている。

11) スラストメタル

クランク軸が軸方向に移動しようとする力を受ける軸受けである。通常はクランク軸には大きなスラスト力は働かないようにしてあるが、機関台の傾斜などによって生ずる小さなスラスト力を受け止めるために設けられている。

台板式の場合は中心部分に位置する主軸受けを基準とするため、これの両側にスラストメタルが設けられ、ハンガ式の場合はどちらかの軸端ジャーナル部分にスラストメタルを入れスラスト力を受けるようにしている。

スラストメタルは一般には2・70図に示すように半月形のメタルを上下組み合わせて用いられているが中には主軸受メタルと組み合わせて一体形に造られたものもある。

 

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2・70図 スラストメタル

 

 

 

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