4) 連接棒(ロッド)
連接棒はピストンとクランク軸を連結し、ピストンが受けた燃焼圧力をクランク軸に伝えると共にクランク軸の回転運動をピストンの往復運動に変える働きをしている。連接棒は鍛鋼又はニッケルクローム鋼などの特殊鋼をI型断面の型打ち鍛造で造り十分な強度を持たせている。又大形では自由鍛造の丸形断面のものが多く使用されている。
小端部には筒形メタルか鋼製裏金付きの軸受メタルを圧入し、ピストンピンの軸受けとしている。なお、最近の連接棒には、慣性質量を小さくし且つ小端部メタルの受圧面積を大きくするよう2・62図(A)及び(B)に示すように小端部の下側を大きくした台形のものが多く採用されている。
大端部は2つ割に加工され、大端部軸受けメタル(クランクピンメタル)を介して、2本又は4本の連接棒ボルト(ロッドボルト)で締付けクランクピンに連結されている。なお、I断面の中心部には大端部から小端部へ潤滑油を送る油孔が加工されピストンピンやライナの潤滑、ピストン冷却などを行っている。大端部は従来は水平割り構造が多かったが最近の中高速機関はクランクピン径が従来のものより大きくなっており、整備時のピストン抜きが可能なように大端部は斜め割りとしている。
なお、斜め割りにした場合、合わせ面にはスベリ力が働くので合わせ面にセレーション加工を施し対処している。