ただし、総トン数100トン未満の船舶にあっては、全力状態のみで行ってもよい。
4] 機関の試験
1) 海上試運転における機関の検査は、次の項目については計測を行う。
a) てい増速力試験
主機回転速度は、陸上公試時の1/4、2/4、3/4、4/4の各分力回転速度で行い、(可変ピッチプロペラを装備した船舶では、翼角を一定にして回転速度を変化させるか、回転速度を一定にして翼角を変化した場合のいずれかについて行う。)陸上公試計測項目を標準として計測し、それを基にした性能曲線及び算出された出力から当該機関の性能及びプロペラとの適合性について確認する。
b) 始動試験
始動空気槽を所定の圧力まで充気し、途中で空気を補給することなく、規定の回数、始動できることを確認し、起動圧力及び最低起動圧を計測する。
2) その他の機関関係確認試験等
a) 続航試験
連続最大出力回転速度で少なくても1時間続航を行い、各部の耐久性を確認する。
b) 後進試験
常用出力回転速度で前進中、後進全力を発令し、後進全力への切換を行い、回転速度が整定するまで運転する。次に前進を発令し、前進への切換を行い、機関回転速度を常用出力回転速度まで上げ、回転速度が整定するまで運転を行い、主機及び動力伝達装置に異常がないことを確認する。この試験中、原則として舵は中央に保持しておく。なお、後進時の回転速度は、原則として前進連続最大出力回転速度の70〜75%の回転速度とする。
c) 最低回転速度試験
航走中徐々に回転速度を下げて、円滑確実に運転できる最低の回転速度を求めるために行う。回転速度整定後は、適当に舵を操作し、機関が停止しないことを確認する。
d) 機関室無人運転試験(機関区域無人化船に限る)
無人運転を行うために必要な設備が正常に作動することを確認した後、通常の航海状態とできる限り同等の航海状態において、船橋から予め定められた時間、安全、かつ、確実に機関設備の監視及び制御ができることを確認する。なお、この場合、集中制御室又は機関制御場所から、機関設備の手動操作は行わない。