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6.2 ウォータジェットの特長

(1) 高速性能にすぐれている。

高速域(30ノット以上)では他の推進機(プロペラなど)より優れているので高速艇の推進装置として適している。

(2) 安全性にすぐれている

プロペラや舵などの突起物がないので浅瀬や網、ロープ上でも安全に航走できる。又ダイビングボートのように人との接触がある船に対してはその安全性の面より適した推進装置である。

(3) 乗り心地が良い

船尾の船体振動、騒音が少なく乗り心地が良い。(プロペラに誘引される船体振動、騒音がない)

(4) 操船性

船速に関係なくジェット噴流の方向を変えることが出来るので旋回性能、制動性能が良い。又その場旋回も可能である。

(5) 主機関の耐久性

主機関に対する負荷変動が少ないので耐久性が増す。又プロペラのように船体によってトルクリッチになるような事がない。(プロペラのミス選定)

 

6.3 構造と機能

3・76図にウォータジェットと主機関をカップルした一般的なセット例を示す。図に示すように主機関とウォータジェットとの間に中間軸が入り、センタフレックス、CGカップリングあるいはユニバーサルジョイントなどで結合される。又中間軸の長さが1mを越えるような場合には通常中間にピロブロックなどの中間軸受けを設けている。

 

258-1.gif

3・76図 一般的なセットの一例

 

ウォータジェットは一種の軸流水ポンプであり、その断面図の一例を3・77図に示す。

ウォータジェット駆動用エンジン出力軸の回転トルクは、中間軸を介してインペラシャフトに伝えられインペラを回転させる。インペラシャフトはスラスト軸受けとディフューザ内に収められたカットレスベアリングによって支持されている。

 

 

 

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