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2) プロペラ押込みの手順

1] プロペラおよびプロペラ軸のテーパ部温度を測る。できればそれぞれ数ケ所測り平均する。

2] 押込計算書グラフより下限値および上限値を求める。

3] 最初にいくらかの荷重(押込目標値で予想している荷重の1/10程度)をかけて静止させダイヤルゲージを0にセットする。

4] その後、荷重を順次増しては静止させダイヤルゲージの読みと荷重との関係をグラフ用紙に記入していく(3・50図参照)。

5] 3] 4]項で記入した点に最も近い直線を引く。

6] この直線を延長して、荷重0としたときの仮想肌付き点を推定して実際の押込量を求める(3・51図参照)。

7] この実際の押込量が押込計算書で求めた上限と下限の間にあればよい。このため押込工事中にグラフ用紙に記入していき、即座に結論を出す必要がある。

 

223-1.gif

3・50図 押込み量

 

223-2.gif

3・51図 真の押込み量

 

なお、グラフ用紙に記入した点が直線で結べない場合には3・52図に示すように処理する。

 

3) 検査の適用

キーレスプロペラの押込み検査はプロペラ軸精密探傷検査とともに検査機関の立合を必要とする。従って、プロペラ押込計算書と押込記録を所定の用紙に記録して保存する必要がある。またキー付プロペラであっても(NK船では検査要領がある)、この趣旨に沿って押込みを行うことはプロペラ軸の安全確保につながることは云うまでもない。

 

4) プロペラ取外し法

プロペラの取外しは、従来ハンマで叩く方法、油圧ジャッキで引抜く方法や蒸気で加熱する方法で行われたが、最近軸径が300mm程度以上のものについては、テーパ部に油圧を導き、分解する方法が普及してきた。即ち、3・53図のようにボス外周より内面に通じる油穴を設け高圧ポンプ(手動又は電動)とフレキシブルホースを使用して、油圧をボス内面に導く。

 

 

 

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