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3・31図 船尾管軸受およびシール装置の給油系統図の一例

 

1.8 張出軸受

張出軸受とは多軸船などで、プロペラ軸を支持するために船外に張り出した軸受で、シャフトブラケット軸受とも言う。3・32図に示すように一般に海水潤滑軸受で、リグナムバイタ軸受またはゴム軸受が使用される。油潤滑軸受の場合はホワイトメタル軸受を使用し、張出軸受と船尾管軸受の間のプロペラ軸を円筒形の鋼板で覆い、油溜りを作り、張出軸受の船尾側および船尾管船首側にシール装置を設ける。

 

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3・32図 張出軸受

 

1.9 軸系アース装置

推進軸系は停止しているときは、中間軸受あるいは主機関の主軸受メタルを介して船体にアースされているが、軸が回転中は、各軸受に潤滑油膜が形成されて、浮遊状態となるため、船体との金属接触がなくなる。従って海水中にあるプロペラまたはプロペラ軸スリーブなどの銅合金と船体鋼材との間にイオン傾向の違いによる電位差が生じ海水中の軸系と船体間の接近したところに電流が流れ有害な電蝕現象が起こる。3・33図に示すように電流の流れる経路は船体に取付けられた防蝕亜鉛(またはアルミニウム)から発生した電流はプロペラを経由してプロペラ軸スリーブから船体に流れるが、リグナムバイタ軸受またはゴム軸受は電気抵抗が大きいので、比較的電気抵抗の少ないグランドパッキンまたは端面シール部から多く流電し、その際プロペラ軸スリーブの電蝕が発生するものと考えられる。

 

 

 

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