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但し、プロペラ軸回転中は絶対に作動させないこと。

端面シール装置はシール部がプロペラ軸スリーブと直接摺動することがないため、従来のグランドパッキン方式のようなプロペラ軸スリーブの摩耗はないが、電食が発生することがあるので、留意が必要である。

 

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3・29図 端面シールの構造例

 

2) 油潤滑軸受

油潤滑軸受の場合、船尾管封水封油装置は船尾管の船外側と機関室内側に装備され、前者の船尾側シール装置は船の吃水で定まる水圧に対し、船外の水が船尾管内に流入するのを防ぐとともに、船尾管内の油が船外に流出するのを防ぐのが目的である。後者の船首側シール装置は、船尾管内にある圧力油が機関室内に流出するのを防ぐのが目的である。

封水封油装置の主なる種類として、リップシールタイプと端面シールタイプがあるが一般に広く使用されているリップタイプの一例を3・30図に示す。

船尾側シール装置は3・30図に示すように、リップシールリングは通常3本(最近は4本シールもある)で構成され、海水側に2本のシールリング、および油側に1本のシールリングが配置されており、スタンフレームボスに取付けられる。シールリングはシールリングとの摺動部に設けられた円筒状で軸を覆う船尾側シールライナ(高クロムステンレス鋼が使用されているので一般にクロムライナとも呼ばれる)と摺動し、封水封油の機能を形成する。

船尾側シール装置のケーシングには、本船の入梁時船尾管軸受の摩耗量計測のための、摩耗計測要具を取付ける座が設けてある。

船首側シール装置は3・30図に示すように、リップシールリングの本数は2本で、油を密封する働きをするもので、船首側シールライナ(一般にクロムライナと呼ばれる)は、軸上に設けられた二つ割れクランプリングで固定され、シールリングと摺動して密封機能を形成する。

シールリングの材料にはニトリルゴム(NBR)とフッ素ゴム(FR)の2種類がある。

 

 

 

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