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3・4表 摩耗限度(ゴム軸受)

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3] 樹脂軸受

樹脂軸受には、多種多様のものがあるがいずれも樹脂単独で用いられることは少なく、補強材や充填剤の添加が必要である。現在船尾管軸受として使用されているものには、フェノール樹脂に綿帆布やアスベストを入れ積層したもの、樹脂粉末を圧縮プレスしたテフロン系のものなどがある。樹脂軸受の構造としては、一体成形したものと、リグナムバイタ軸受と同じように縦方向(軸方向)に数個に分割したものを裏金内面に並べて使用しているものとがある。

樹脂軸受の特徴として1]成形性がよい。2]自己潤滑性がよい。3]耐食性にすぐれているなどがある。なお、樹脂軸受の場合も潤滑冷却水の供給が必要である。

(2) 油潤滑軸受

油潤滑軸受とは、潤滑油によって、潤滑を行う船尾管軸受けで、3・26図に示すような構造で、軸受材として、一般にホワイトメタルが使用される。

1] ホワイトメタル軸受

油潤滑船尾管軸受は鋳鉄製または、鋳鋼製ブッシュにホワイトメタルを内張りした軸受部分と封水封油装置から構成されている。軸受部分は油にて潤滑され、封水封油装置は、船尾管の船尾側端および船首側端にそれぞれボルト締めにて取り付けられ、海氷の浸入を防止するとともに、油の漏洩を防ぐものである。

船尾側および船首側軸受は鋳鉄製ブッシュにホワイトメタルを遠心鋳造法にて鋳込んだものがもっとも一般的である。軸受ブッシュの外周軸方向に上下左右4個所に油みぞを設け、船の吃水より3〜5m上に設置された重力タンクからの潤滑油はこれらの油みぞおよび水平位置に設けられた油穴を通って軸受面を潤滑する。

ホワイトメタル軸受は軸受性能が非常に優れており、使用されるホワイトメタルの材料としては、JIS規格のWJ1、WJ2の錫基のものと、WJ7の鉛基のものが多い。WJ1、WJ2の錫基のものは耐食性、非焼付性、耐衝撃性、密着力などにおいてすぐれ、WJ7の鉛基のものは、安価であり、なじみ性が良好なのと海水が混入した時の焼付きが錫基のものより少ないなどの特徴がある。

 

 

 

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