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1] 比重…比重そのものは機関の運転には影響しないが、高比重の燃料油は遠心清浄機による水分分離が困難になる。

2] 粘度…ディーゼル機関は良好な燃焼を得るため、適切な粘度の燃料油を使用することが必要で、C重油を使用する場合は加熱をしている。

3] 硫黄分…燃料油中の硫黄分は燃焼により亜硫酸ガスとなり、水と化合して硫酸となって各部に腐食を起こす。

4] 残留炭素分…多いと燃焼が出来ず燃焼室内に堆積物を増加させる。

5] アスファルテン…難燃焼性があるため触火面の近くで燃え、温度上昇をさせる。また増加することにより熱安定性、混合安定性が低下し油中にスラッジを生じ易い。

6] 灰分…燃焼しないため堆積物や摩耗の原因となる。

7] 水分…燃焼不良や堆積物の原因となる。

8] バナジュウム、ナトリウム…高温腐食の原因となる。

9] 着火性(セタン価、セタン指数)…機関の始動や円滑な運転に必要。

10] 混合安定性…分解油と直留油を混合すると、混合比によってスラッジが多量に発生することがある。

 

4.3 冷却水

近年では海水でエンジンを直接冷却することは、少なくなってきた。ここでは清水冷却についてのみ注意事項を述べる。

 

1) 冷却水の選定基準

清水であっても機関に使用される清水の選定には注意を要する。冷却水の水質基準を2・16表に示す。

 

2・16表 清水冷却の水質基準

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