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2] 機関が高過給化、高出力となり、燃料油も低質化してきている現在、使用潤滑油の性状に関係なく時間のみで管理することは不適当である。

3] 最適な方法としては定期的に使用潤滑油をメーカに出して性状分析してもらい継続使用の判断をしてもらうのがよい。

4] 試料油は通常サンプル缶(1リットル)に一杯あればよく、清潔な缶に常に一定の場所から取る。できるだけコシ器のエア抜き等から取り油溜まりの底から取らないこと。

5] 各性状の評価として以下のことに注意して調査すると良い。

(イ) 引火点

引火点の低下は燃料油混入による希釈が考えられる。

(ロ) 粘度

粘度低下の原因としては、燃料油の混入、粘度の低い油の混合が考えられる。

粘度は一般に上昇するが、酸化の進行、粘度の高い油(シリンダ注油等)の混合および水分の混入によっても粘度が上がることがあるので注意を要する。

(ハ) 水分または塩分

水分または塩分の混入は清水の場合はジャケットの亀裂、排気弁のOリングやパッキン不良、過給機ケーシングの亀裂および、停泊中に雨水が煙突から混入、また、塩分の反応がある場合は海水の混入であり潤滑油冷却器のチューブが破損していることが考えられる。

(ニ) アルカリ価

低下は酸中和性、清浄分散性の低下であり、更油の重要な基準となる。

(2) 使用限界に対する各性状の評価

潤滑油の劣化の度合いは、種々の条件によって異なるので管理基準も一概に決めることは実情に即していないが、一応その基準を2・14表に示す。

 

2・14表 潤滑油の管理基準

181-1.gif

 

更油は一項目のみで判定するのでなく総合的に決めることが重要である。

アルカリ価はHDタイプの場合使用油により違いがあるので幅を持たせた。

粘度はシリンダ注油のあるものは+50%とする。

 

 

 

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