日本財団 図書館


特長としては

1] 加工物の表面加工温度を120℃〜150℃に調整できるので、母材のひずみを生じないし、組織の変化も起らない。

2] 被加工物と溶射材は同一材の必要はない。

3] 盛金の厚さは、0.1〜20mmくらい可能である。

4] 盛金の層は極めて微細な多孔状のため、軸受性能としても優れている。

5] 表面あらさは4S程度迄仕上可能である。

6] 溶射材の選定に依り、耐食性及び硬度が得られる。

7] 密着力は、約52〜108MPa(530〜1,100kgf/cm2)(剪断強さ)が保持されている。

 

3.3 めっき

摩耗部分の再生、硬度保持又は向上、耐食性の向上等の方法として、硬質クロームめっきがある。クロームは摩擦係数が低いので、摺動部、シール部、油密部等に使用すると特に効果がある。

クロームめっきの厚さは、仕上りで0.02〜0.2mm程度が妥当である。更に厚くすることもできるが非常に高価となる。

 

3.4 ろう付(鑞吹溶接)

1) ろう付(鑞吹)

鑞付は、接着に余り強度を要求されない、振動の少ない、高圧、高温にならない様な管継手等の接着に多く使用される。この方法は二つの同種又は異種の金属を突合せ、その間に溶解温度の低い金属又は合金(鑞)を溶解させて接合を行う。この場合、接合された両金属は熱のため溶解されないが、その表皮の幾分かが接合金属に個体のままで溶融するので比較的強い接合が行われる。そのため、用いる鑞は母材の種類と、必要とする接合力の程度によって適当なものを選ばなければならない。鑞の中の溶解温度の高い物(500℃以上)を硬鑞、低いものを軟鑞と言う。

硬鑞は溶剤とともに接合部に付け、吹管で吹いて鑞付するのが普通であるのでこれを鑞吹とよんでいる。又軟鑞、殊に「ハンダ」は「ハンダ鏝」で鑞付を行うのでこれを「ハンダ付」とよんでいる。

 

2) 鑞の種類

工業用の鑞には大体2・12表に示したようなものがある。また鑞の形状は粉末、薄片、板、線、帯、管等があり、用途によって適当なものを選定する。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION