(3) 電気式 … 大形船に適用
(4) 空気式 … 大形船に適用
また、操作方式によりつぎの2つに分類されている。
(1) ツーハンドル・リモコン
減速逆転機の前後進切換ハンドルとガバナハンドルをそれぞれ別個に動かし操作するもの。
(2) ワンハンドル・リモコン
機関操作の簡略化を図るため、1個のハンドルで前後進の切換えとガバナの操作ができる。いずれもクラッチの切換えを低速時に行い、機関の増減速操作をクラッチハンドル嵌入後に行うような構造になっており、機関の運転、減速逆転機操作が極めて簡単にできる。
3. 応急修理と補修材料
前項で機関各部ならびに付属機器類の部品交換、整備について述べた。しかしケース、軸、パイプ類等が、なんらかの原因によって急に亀裂したり、切損したり、摩耗をしたりすることがあるが、本船の操業予定から直ちにドックしたり、修理工場に持ちこめない場合、あるいは交換部品が間に合わない場合等がある。このような場合の処置としては応急修理をしなければならない。
応急修理をする場合は、その対象物品の損傷の状況、個所、寸法等をよく観察検査して、手段を選ぶ必要がある。
これら手段の一例として溶接、めっき、ろう付、接着剤(コードボンド、デブコン)、その他(ねじブッシュ、メタロック)等があげられる。
3.1 溶接
シリンダブロック等に亀裂あるいは損傷が生じた場合、場所によっては、低温溶接による補修を行うことがあるが施工に際してはメーカーおよび関係官庁と十分打合せを行い承認を受けると共に補修後、歪が発生していない事を確認した後使用せねばならない。
※ 溶接について
酸素アセチレン溶接および電気アーク溶接等は、法令で定めた免許制度になっているので、免許取得者以外は使用してはならない。
3.2 溶射
溶射は各種部品の盛金を目的とし、主として緊急時の応急対策に用いられているが、実施に当っては慎重を要する。特に検査を要する部品は関係官庁と相談し、承認を受ける必要がある。
使用例としては、とも廻り推進軸スリーブの摩耗再生等がある。
溶射とは特殊なワイヤタイプのガンを用いて、酸素アセチレン焔により諸種の金属、合金を溶融噴射して母材に盛り上げること(メタライジングという)、又は自溶合金等の材料をパウダタイプのガンを用いて、溶融噴射し、さらにトーチで再溶融して、母材に盛り上げること(サーモスプレイという)である。