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ころがり軸受内外輪のはめ合い部に傷や摩耗がないか点検し、軽度の時は油砥石等で傷を修正し、軸あるいは外輪嵌合部に傷があればヤスリ等で修正する。

ころがり軸受はメーカの定めた使用時間毎に新品と交換する。メーカの定めた使用時間内での分解時には、手で回してみる他、ボール、ローラの転動面を点検し、異常を発見した場合は、新品と交換すると同時にメーカと協議して再発防止対策を立てる。

(ハ) 油ポンプ

油圧ポンプは性能上、精度の高い部品の相関関係で全体の精度を保っているので内部に損傷が認められる場合は仕組みで新品と交換する必要がある。

シール部品については分解点検した場合にはOリング、パッキン類を必ず交換する。

オイルストレーナは定期的に点検し、洗浄する。破損個所はハンダ付け、その他の方法で修復するか交換する。

ケーシング、サイドカバー内面の掻き傷、摩耗については軽度のものは油砥石で修正する。

歯車のピッチング、摩耗については軽度のものは油砥石で修正する。

軸受部の摩耗については軽度のものは軸をサンドペーパで仕上げし、軸受を新品と交換する。

クラッチ減速機または油ポンプを分解した時は試運転時に作動油圧と潤滑油圧を確認する。

(ニ) 歯車

次に揚げた各現象について極く軽度のもの以外はメーカと協議の上適切な処置が必要である。

歯当り面積が極端に狭く、片寄っている場合には歯車組立上の問題がないか調査、修正する。

歯面に局部的な強い当りがある場合は、歯面コーナ部等の強い当りをグラインダ等で除去したのち油砥石で修正する。

歯面にピッチング、圧痕、欠損、異常摩耗が認められた場合、軽度のものは油砥石で除去して丸める。

歯面にスコアリングが発生した場合、軽度の時は歯先、歯元を油砥石で修正する。

歯面、ボス等に亀裂が発生した場合には、カラーチェックで亀裂の程度を確め、軽度のものはグラインダで除去する。又亀裂の残る場合は交換する。

歯車組付部にフレッティングコロージョンが発生した時は、組付部のゆるみがないように締付けを十分行い、ゆるみ止めを施す。

 

 

 

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