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6] 過給機と機関に機械的な連絡がない

機関と機械的な連絡がないので、機関の回転数に関係なくクランク軸の所要出力が大きくなると、排気の持つエネルギも大きくなり、自動的に過給機軸の回転が上昇して、吸入空気圧力も高まり、機関の使用状態に適した運転ができる。このため機関の正回転、逆回転にも関係ない。

7] 消音作用がある

排気ガスタービン過給機は、排気の爆音を少なくする作用が強いので、排気サイレンサは簡単なもので充分である。

(b) 欠点

1] 燃焼室周辺の温度が無過給機関に比べて少し高温になる

排気温度は吸気温度の変化に対して、2・152図のように変る。吸気温度10℃の上昇に対し、排気温度はシリンダ出口で18〜23℃位上るが、この傾向は高速エンジン程大きく、吸気温度上昇分の約2〜3倍位高くなる。

 

146-1.gif

2・152図 吸気温度と排気温度の関係

 

2] 最高爆発圧力が上昇するので、機関の振動が大きくなる。またシリンダヘッド締付けトルクも高くする必要がある。

3] 排気タービンが故障したときは、機関出力が減少する

無過給機関に比べて圧縮比が低く、又オーバラップが大きいので、排気タービンが故障して給気圧が上らなくなると、上死点で排気ガスがシリンダ内へ逆流し、そのために同一形式の無過給エンジンより出力が低下する。

普通、舶用エンジンの場合は過給機が故障した場合でも、タービン軸を固定または応急短絡管を用いれば規定回転数の50〜70%の回転数で使用する事ができる。

4] 低負荷において燃焼が悪くなる。

 

 

 

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