スターティングモータの作動は、2・124図に示すようにスターティングスイッチを操作するとエンゲージマグネチックスイッチのシリースコイルおよびシャントコイルに電流が流れ、この電流によって生じた電磁力はシフトレバーを引張る。
シフトレバーはピニオンクラッチを作動させピニオンギヤを押し出しリングギヤに噛み合わせる。
これと同時にエンゲージマグネチックスイッチのシリースコイルを流れた電流はスタータのフィルドコイルおよびアーマチュアコイルにも流れて、アーマチュアは回転し、ピニオンクラッチに緩い回転を与える。ピニオンクラッチは緩く回転しながらアーマチュアシャフトに沿って押し出されるのでピニオンギヤは確実にエンジンのリングギヤに噛み合う。このときエンゲージマグネチックスイッチのムービングコンタクタがステーショナリコンタクタを接続して始動モータに主電流を流し、モータは強大な始動回転力を出してエンジンを始動させる。
スターティングスイッチを開路にすればエンゲージマグネチックスイッチの電磁力が消失するので、シフトレバーはその軸に取付けられたリターンスプリングの力でもとの位置に引きもどされる。すなわちピニオンクラッチはもとの位置にもどされ、ピニオンはリングギヤとの噛み合いをとがれモータも止まる。なお、スイッチを切るのが遅れ、エンジン始動後もピニオンギヤがもどらず、リングギヤと噛合ったままのときにモータを保護するために、オーバランニングクラッチが入っている。