(1) ボッシュ式燃料フィードポンプ
このポンプは単体のものもあるがその殆んどは噴射ポンプに組込まれ、2・109図に示すような構造および作動をしている。
この式のポンプの故障は主にOリングなどのシール部分からの洩れや戻しバネ力低下のほか吸入弁や吐出弁などの作動不良やシートの荒れなどによる洩れが原因であり、故障すると燃料供給不足となり、過負荷時に作動不良となった場合は停止する等の危険がともなうので定期的なチェックが必要である。
(2) その他の燃料供給ポンプ
大形機関の場合は送油量も増加するため別個に燃料フィードポンプを設けている場合もある。代表的なものとしては2・110図に示すトロコイド式ポンプが用いられている。この種のポンプの故障は摩耗による吐出容量の低下と、リリーフ弁およびシートからの洩れ、弁バネ不良などが原因で発生する。
6) 燃料フィルタ
機付フィルタとしては燃料噴射ポンプの前に設けられており、噴射ポンプのプランジャや噴射弁などの寿命に大きな影響をおよぼす重要な燃料フィルタであり機関によって各種のものが用いられている。特に直噴式機関においてはメッシュの細かなノッチワイヤ式(40ミクロン程度)やペーパエレメント式(10ミクロン位)などがあり副室式機関ではオートクリーン式(100ミクロン程度)や真鍮製網(50ミクロン程度)のものが用いられており、大形では複式とし運転中でも片方のフィルタを掃除できるような構造のものを採用している。
(1) ペーパエレメント式
フィルタ内部のエレメントにペーパを使用していることにより、このような名称で呼ばれ、2・111図(a)に示すようにエレメントで遮断された不純物はフィルタ底部へ溜るかエレメントにつまるようになっている。