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2) プランジャの上辺がバレルの吸排油孔を塞いだとき(静的噴射始めという)、油溜室とプランジャ室は遮断され、プランジャの上昇と共に燃料油の圧力が上昇する。(A)

3) 更に、プランジャが上昇し、圧縮された燃料油がデリベリバルブを持ち上げて、燃料噴射弁へ圧送される。

4) プランジャの下部リードが吸排油孔に覗いた瞬間、高圧燃料油はプランジャの縦溝より吸排油孔を通り急速に油溜室へ戻され噴射は終わる。(B)

5) この噴射始めから噴射終わりまで、実際に燃料油を圧送している期間を有効ストロークという。

6) プランジャの縦溝と吸排油孔を一致させることにより、無噴射となる。(C)

 

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2・89図 燃料噴射ポンプ作動図

 

(ii) 噴射量の調整

2・90図は噴射量増減機構を示し、構造で説明した如くコントロールラックの動きに従ってコントロールスリーブが廻り、同様にプランジャも廻り有効ストロークを変化させ、噴射量を調整することができ、次のことがいえる。

有効ストロークが長いとき…噴射量が多い

有効ストロークがやや短いとき…噴射量が少ない

有効ストロークが最も短いとき…噴射量が最も少ない

有効ストロークがないとき…噴射しない

(iii) 噴射量と噴射時期の関係

燃料噴射ポンプのプランジャには下部リードだけのものと、2・91図の如く上部リードの両方がついているものがある。

 

 

 

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