7) タペット
(1) 構造と機能
端面ば常に吸・排気カムに接しながら上下に往復運動しており、弁押棒を介して弁腕を動かしている。
タペットの形状には2・63図に示すようにピストン形とマッシュルーム形およびローラ方式のものがある。一般にはピストン形が多いが、マッシュルーム形もローラ方式も用いられている。なお、ローラ方式以外のタペットのカムとの接触面は、平面あるいは球面に加工されている。
小形機関用にはチル鋳鉄を用い、カム面と同様パーカライジング(燐酸塩皮膜)処理を施し、初期なじみをよくしている。
このほか耐摩耗性にすぐれたハードナブル鋳鉄が使用されることもある。
(2) 点検と整備
タペットのカム軸との当り面を点検し、虫喰い状の痕跡や、亀裂がないか、著しい偏摩耗がないか、また当たりが良好であるかを点検する。
タペット外径をマイクロメータで測定し摩耗量が使用限度を超えている場合は交換する。
シリンダブロックのタペット穴との間隙も点検し、間隙がメーカの指示した使用限度を超えている場合はタペットを交換する。
8) カム軸およびカム
(1) 構造と機能
カムの運動はタペット、弁押棒、弁腕の順で弁に伝えられ、弁に必要なリフトを与える。機関作動中、弁間隙があるためカムとカムフォロア接触面は衝撃荷重を受ける。