(ロ) クランクピンメタル
メタル摺動面の当たり、摩耗、損傷、腐蝕、異物埋没、亀裂や剥離などについて点検し、程度のひどいものは交換する。またメタル背面の当たり、叩かれ、油焼けなども点検する。メタル合せ面に叩かれた痕跡のあるものは締付力の不足やボルトの伸びなどによることがある。(個々の例を2・26図から2・33図に示すので参照方)
次いでメタルの摩耗量を計測する。これは大端ハウジング内へメタルを組み込み、キャップを規定トルクで締め付け、シリンダゲージを用いて、ハウジング内径測定位置(2・37図)と同位置同方向で内径を測定する。摩耗やクランクピンとのスキマが使用限度を超える場合はメタルを交換する。なお、一般にケルメットメタルの場合、オーバレイが1/3以上摩滅したものは交換する。
(ハ) ロッドボルトおよびナット
連接棒ボルト (ロンドボルト)およびナットは亀裂の有無を磁気探傷法により調査すると共に外観上の点検で異常が認められなくてもメーカの指示する使用時間又は分解回数に達したものは交換しなければならない。