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4) 定格出力と最大出力

定格出力とは、機関銘板に打刻されている出力及び回転数であり、一般に何kWの機関などと呼んでいる。舶用ディーゼル機関においては、これを連続最大出力及び回転数と云い、それ以上の出力及び回転数を過負荷出力及び回転数と呼んでいる。

但し、小形漁船主機関(シリンダ径150mm以下)の場合は水産庁登録済みの出力及び回転数で表示される場合が殆どであり、連続最大出力及び回転数に当てはまらぬことが多い。

連続最大出力は、JISによれば定められた状態と運転条件のもとで定められた回転数にて長時間連続して運転できる出力とし(連続)定格出力とも云っている。

最大出力とは、その機関が出しうる瞬間的な最大出力を云うが、一般的には定格時間の取り方によって異なっている。舶用主機ディーゼル機関の場合は通常1時間(連続)定格出力をもってその機関の最大出力としていることが多い。JISによれば15分間の連続定格出力をもって最大出力として表示できるようになっている。

負荷許容最大出力とは、メーカが製品の品質保証をする限界の許容しうる過負荷出力及び回転数であり、許容限度以上の出力及び回転数で運転できぬように燃料噴射量ならびに回転数を封印セットしている。又小形主機関の場合、その機関の使用環境条件を加味して軽作業、中作業、重作業に区分して封印セットしている場合もある。作業区分の考え方の一例を1・10表に示す。

 

1・10表 作業区分

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検査船に用いられる舶用ディーゼル機関の過負荷出力及び回転数は通常連続定格出力を100%負荷とし、110%過負荷出力をもって燃料噴射量の制限をしなければならない。

さらに過速度最大回転数は100%負荷回転数の120%を超えぬような制限装置を持つよう義務付けられている。

 

 

 

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