日本財団 図書館


1] 圧縮圧力の点検と測定

シリンダの圧縮圧力を点検する場合は、ノズルを外し、アダプタを挿入し、ゲージを取付けて、スタータモータでクランキングして、圧縮圧力を測定する。クランキングの回転速度が120〜200min-1に達した時の圧力を読み、修理限度以下になったものは、オーバホールをして修理しなければならない。

 

174-1.gif

 

174-2.gif

 

〔測定上のポイント〕

(ア) 測定は機関の規定回転数で行う。

(イ) 測定は各シリンダとも2回以上行い、平均値をとる。

(ウ) 2、3のシリンダを測定して他を推定するのは危険であるから必ず全シリンダを測定する。

4) 排気管及びバルブタイミングの不良

(1) 排気抵抗が大きすぎる

176ページ3)−(5)項参照し、背圧を下げるには、配管絞りをなくし、消音器を無抵抗形にし、舵排気の冷却水を絞る。これでも効果がなければ、管径を太くし、曲がりを大きくするか個数を削減する。

排気管を施設する以前に、どの程度の排気抵抗になるか試算して、許容値以内に排気抵抗が入るように配管を計画しなければならない。

(2) バルブクリアランスの調整不良

基準値より過小、過大になるとバルブタイミングが変化して、ガス交換などに悪影響を与えるので出力低下する。

(3) カム山タペットの摩耗

バルブ開時期が遅れ、閉時期が早まると共にバルブリフトが小さくなる。従ってシリンダ内への吸気量が大巾減少し、オーバラップ期間の短縮で、ガス交換が不十分となり、出力が大きく低下する。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION