このような倍は600〜650min-1の範囲にアイドリング回転を上げなければならない。
5) 噴射タイミングの狂い
(1) タイミング調整不良
a) 噴射タイミングの調整不良
噴射タイミングは早過ぎても遅過ぎても燃焼に悪影響を与えて出力低下するので、加速時に回転が追従しなくなる。噴射タイミングを正しく修正しなければならない。
b) バルブタイミングの調整不良
カム山及びタペットの摩耗により、バルブタイミングが大巾に狂うと、出力が低下して増速時に回転が追従しなくなる。
カム軸及びタペットを交換又は調整して修復しなければならない。
(2) カム山、タペットの摩耗
燃料カム山及びタペットが異常摩耗を起こすと、噴射タイミングが大巾に狂い、カムリフト量も大巾減少するので、出力低下して増速時の追従性が悪化する。
カム軸及びタペットを交換し修復しなければならない。
6) フィードポンプの故障
(1) ピストンの摩耗
フィードポンプのピストンが摩耗すると、吐出性能が低下するので、増速時の追従性が悪化する。ピストンを交換して修復する。
(2) バルブの不良
バルブ及びシートの気密不良により、もれを生じ吐出量が減少する。バルブを交換して修復する。
(3) リターンスプリング折損
ピストンを戻すバネであり、折損するとピストンが作動できなくなり、燃料供給が停止する。
(4) 燃料カム山の摩耗
カム山及びタペットが摩耗すると、ポンプリフトが減少して、吐出量が低下する。
いずれも、フィードポンプの性能が大巾に低下し吐出量が減少するので、直ちに修理しなければならない。
7) コントロールラック、リンクの作動不良
(1) ラックの曲がり、引っかかり
コントロールラックが曲がったり、そのストローク範囲に他との接触や干渉があると、円滑に摺動しなくなるので、増速時にコントロールラックが動かず、追従性がなくなる。