(2) 室内温度が高い
機関室内の温度は、通常40℃まで、最悪でも45℃以下としなければならない。それ以上に室内温度が上昇すると急激に性能低下するので、増速時の追従性は悪化する。また排気温度が異常に上昇するので機関の熱負荷過大によるトラブルを誘発する。
従って十分な換気量を得て、室内温度を低下させなければならない。
(3) エアクリーナの詰まり
プレクリーナやペーパ式エアクリーナなどが目詰りを起こすと給気量が不足し、燃焼に必要な酸素が欠乏して出力低下するので、増速時の追従性が悪化する。
エアクリーナは定期的に清掃又は交換しなければならない。
(4) 過給機の性能低下
タービンホイールのカーボン付着、コンプレッサホイールの汚れ、シールリング、ベアリングなどの焼付きなどが起こると、タービン回転が重くなり、増速時の追従性が悪くなるので、十分な給気量をシリンダ内へ供給できなくなり、出力低下して機関増速時の追従性が悪くなる。
(5) 排気抵抗が大きすぎる
排気管の管径が細く、曲がり個数が多い場合や、舵排気の冷却水によどみができたり、出口が水中に没したりすると、排気抵抗が過大となり、出力低下して増速時に回転が追従しなくなる。
背圧(バックプレッシャ)を測定して下記の値以下になるように排気管を改善しなければならない。

4) オーバロード
(1) オーバロード
過負荷状態で運転している場合は、機関出力に余裕がなく、増速しようとしても回転は上昇しない。
通常、連続定格出力の110%までを限度として、燃料噴射量の制限をしており、このような過負荷運転は、連続1時間以内に限っての使用に対して、メーカは製品の保証をし、それ以上の連続使用は、常識では考えられないこととしている。
従ってオーバロードでの使用は万止むを得ない場合に限り、1時間以内での使用に限り認められているのであり、通常は定格出力及び回転数以下で運転願いたい。
(2) アイドリング回転の下げすぎ
規定回転速度以下に下げ過ぎた場合は、増速時に追従しないばかりでなく、エンストをする。