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1.3 デフレクション計測とその処置

1) 計測の目的

デフレクションを計測する本来の目的は、クランク軸のピンとアームの隅肉部に発生する応力の程度を見定めることにある。

クランク軸の軸芯が真直ぐであれば、デフレクション計測値に変化はないが、仮に曲っていれば計測値に変化が生じ、その分隅肉部の応力が増加したことを示すこととなる。計測結果から判断しなければならないことは、クランク軸が下図のどちら方向に変形しているかである。

 

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5・23図 クランク軸の変形

 

また機関の据え付け状態がどの様であるかを判断する目安ともなる。

2) 計測の方法

計測の間隔は一般的に約3,000〜4,000時間毎あるいは6ヶ月のいずれか早い方とし、新設後や整備後などは約300時間後に最初の計測をする必要がある。

以下一般的な方法・手順を述べる。(5・24図参照)

1] 計測するクランクのクランクピンを下死点に最も近いa1の位置に置く。

2] デフレクションゲージをクランクピンと反対側、クランク軸ジャーナルの外周の位置(クランク軸中心からD/2mmの位置)に取付け、ゲージの目盛をa1=0に合せる。

3] クランク軸を回転(矢印方向)しながらa2、a3、a4、a5を計測する。

4] 同様に全クランクについて計測する。

 

 

 

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