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潤滑油の保守管理は直接、動力伝達各部の寿命に関係するのでその取扱いには細心の注意が必要である。

油種はギヤ油またはタービン油で酸化安定性にすぐれた良質のものを使用する。また、水が混入してもエマルジョンが生成しにくいものを使用する。

5) スラッジ排出間隔

スラッジ排出間隔が適切であれば、効率よく運転できるが、その間隔は、清浄機の型式は勿論のこと運転方法あるいは処理油の性状やその他種々の条件(例えば、潤滑油であれば、主機の型式、馬力及びサンプタンクの大きさ等)により大きく異なるので一概に決定することはできない。

間隔が長過ぎると、スラッジの固着等により排出性が悪くなり、短ければ、運転効率が悪くなる。

清浄機の選定にあたってはスラッジ排出間隔について基本的な考慮がなされているものの、実際の排出間隔は試運転を行ない、処理油のスラッジ濃度に合わせた適正な排出間隔を、決定することが好ましい。

6) 封水、置換水量

封水はピュリファイア運転を行う場合、あらかじめ回転体内に水の相を作り原液を給液した時、重液側から油が流出することを防ぐためのものであり、また置換水はスラッジ排出前、回転体内の油を回収し、ロスを最少限におさえる為のものである。

従って、これらの水量は適正に設定しないと運転上支障をきたすので、各機器の取扱説明書に従いその水量を規定すること。

7) 始動時・停止時

1] 異常音がする時は直ちに停止し、点検する。

2] 始動から所定の時問経過しても回転速度が定格に達しない時は、直ちに停止し、フリクションクラッチ部及びギヤケース内の油の漏れ等を点検する。

3] その他、通液を開始した後、各部の圧力、電流値の異常及び回転体及び配管の締付部から油や水が漏洩していないことを確認する。

4] 異常振動がする時は直ちに停止し、点検する。但し、回転体が定格回転速度に達する前に危険速度(CRITICAL SPEED)を通過する際、一時的に振動が生じるが、これは異常ではない。

5] 回転体が停止する際にも危険速度を通過するが、始動時と異なり通過時間は比較的長いので、振動が若干大きくなる場合もあるが、これは異常振動ではない。

 

4.4 分解組立て上の注意事項

1) 停止の確認

回転体の回転が完全に停止したことを確認してから各部を緩め、分解する。

なお、回転が完全に停止したかどうかは、ギヤポンプと横軸の連結部(安全接手)で確認できる。

 

 

 

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