日本財団 図書館


また、堀川用水との合流部から三島排水樋管までの間は、毎年魚のつかみ取り大会のイベントで賑わう舞台となっており、既にアクティビティが張り付いているという点でも景観形成が容易な箇所である。

 

3] 町民ビジネスを中心とした交流施設の検討

堀川交流ゾーンでは、町民によるビジネスを足場とした多様な交流を通じて、町民の意識を高め、「町全体」を考えるきっかけとしていくことが考えられる。

 

町民ビジネスを中心とした交流施設の立地要件

○町内外の多数の来訪者を吸引するため、交通条件の良い国道386号沿いで用地確保を行う必要がある。

○杷木町の道の駅等、近隣町村の既存施設との競争力を高めるため、山田サービスエリアとの連携も視野に入れた場所の選定が必要である。

○朝倉町のシンボルとも言える水車との連携を図り、施設イメージの増幅を図る必要がある。

 

上記のような検討課題を踏まえると、町民ビジネスを中心とした交流施設の立地は、国道386号に面し、かつ山田サービスエリアに程近い場所が望ましいと考えられる。但し、ここで留意しなければならない事項に、水車と水田を中心とした農村景観の保全を推進するエリアとの分離が挙げられる。

町民ビジネスを中心とした交流施設は、町内外の多数の来訪者で賑わうものと思われ、それに伴う車両の往来等の喧騒は、水車・水田風景の保全を目指すエリアにとってマイナス要因に働きかねない。

このようなことを考慮すると、町民ビジネスを中心とした交流施設の建設箇所は、水車等の保全エリアと適度な離隔距離を持つべきであると考えられる。

具体的にその場所選定を考えていくと、前述の通堂川が重要な位置にあることがわかる。つまり、通堂川よりも西側が水車と水田風景を中心とした農村風景の保全エリアとなっており、通堂川の東側に町民ビジネスを中心とした交流施設を配置することで、「保全エリア」と賑わいのある「交流・物販エリア」とを適切に分離することが可能となる。但し、これら2つのエリアは、適度な離隔距離をおくことでそれぞれのエリアの特性を生かしながら分離されるものの、歩行者系の接続動線を積極的に繋ぐことで一体的なゾーンとしてまとまりを持たなければならない。また、通堂川を堀川用水を中心とする中心軸に対し、骨格を形成するもう一つの軸として位置付け、2つのエリアを有機的に繋ぐ結節点として計画する必要がある。

前述の立地要件を考慮し、町民ビジネスを中心とした交流施設の立地候補地を検討すると図6-1に示した場所が挙げられる。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION