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2] 朝倉町観光振興への示唆

○観光業者としては、現地までバスで観光客を運び、観光客が自由にオプションを選択できるところが望ましい。観光客からみれば一度行ったところはスキップできるし、業者から見れば手離れが良く、低価格で商品提供が可能となり顧客満足も高い。柳川がオプションメニューも豊富(昼食先、川下り、散策)で受入施設(土産物屋、食事処)も直前の申し込みにも柔軟に対応してくれる等旅行業者からみれば使いやすく、商品企画として取り上げやすい。

○観光振興を目指すなら、旅行雑誌を扱う出版社や旅行代理店へのきめ細かな情報提供が重要。面白そうなイベントがあって開催日の確認の連絡しても直前までわからないという答えが多い。旅行代理店の場合、最低3ヶ月前には情報が入っていないと商品化は困難。出版社も事情は同じではないか。大分県や熊本県は福岡事務所を通じて月毎に情報提供がある。うまく利用して欲しい。

○ウォーキングニーズの高まりを受けて、豊かな自然や史跡を持つ朝倉のポテンシャルは高い。そのためにはガイドの育成やサインの設置等受け入れ体制の整備が重要。

○水車周りはあまり手を入れず、実働している水車のイメージを損なわない方がいい。朝倉らしさとは何かを明確化し、イメージアップしていくことが重要。大分の由布院もはじめは豊かな自然環境を活かし欧州型温泉保養地を目指したが、最近は全国どこにでも見かけるオルゴール館等だんだん地域の独自性を失ってきている。農村観光で人気がある熊本県の小国町は田舎的で素朴なところが魅力なのではないか、行政主導で町全体が観光で頑張るというより一部の熱心な住民や団体が自分たちの発意でやっているところも小国の素朴さの源泉ではないか。

○その他、旅行代理店の視点からのアドバイス・あったらいいもの

−国道386号の通過客を引き留める方策

−点在している資源を繋げるしくみ(遊歩道の整備、移動手段の確保)

−バスが留められる駐車場の整備

−町の資源を説明する案内役あるいはサインの充実

−よその真似をしない(朝倉らしさの追求)

※ 原鶴温泉で温泉宿がよく「一泊カニ食べ放題」という企画をやっているが、商品企画担当としては観光市場そのものをだめにしてしまうので地域と何の関連もない企画は取り上げない。

 

 

 

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