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図表1-10 甘木朝倉広域市町村圏の産業別総生産額

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(注)数値は平成9年度実績

資料:福岡県総務部地方課「福岡県市町村要覧2000」財団法人福岡県市町村研究所

 

2] 朝倉町の農業

産業別の就業人口及び産業別総生産額の比率等でも農業が本町のリーディング産業ということが明らかであったが、農業粗生産額による特化係数(注)(平成10(1998)年)をみると、本町の粗生産額が福岡県平均の約10倍となっている。これは広域市町村圏の約5倍も大きく上回り、県内でも有数の農業生産基地であることを示しており、まさしく農業の町といえる(図表1-11)。

主要な農産物の推移をみると、ねぎが経年第一位を保ち、農業粗生産額の約4割(平成10年)を占めている。次いで平成8年からは柿が米に変わって第二位に浮上し、以降米は減少傾向にある(図表1-12)。

一方、農家数は平成2年から平成9年までの間に11.7%(173戸)減少しており、離農が急激に進んでいる。また、全農家戸数の8割(80.7%)が兼業農家であり、その中でも第2種兼業農家が全農家戸数の半数以上(56.9%)を占める(図表1-13)。

さらに農業就業者の4割超(43.9%)が60歳以上の高齢者であり、かつ後継者問題を抱えている。本町の特産物として全国的にも知られる、ねぎ、柿は厳しい市場環境にさらされ、対前年比で大幅な減収農家も出ている模様であり、次の商品企画が求められている。町へのヒアリングではこのような現状を打開するために集落単位の営農集団化と観光農業により活性化を目指している(図表1-14)。

観光農業については朝倉の農業が抱える構造問題やねぎ、柿の次の農業を考える上で重要な機能として位置付けることが考えられる。年間30万人近くの来訪者があるという現実を踏まえ、こうした来訪者との交流を通じ、マーケティング機能、地元市場(30万人のうち25万人が県内)向けの流通機能を整備する必要がある。

 

 

 

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