エ 当該地区産業観光振興の方向
(ア) 当該地区の特色と課題
当該地区は、JR土岐市駅を有し、陶磁器生産地としての本市を対外的にアピールする顔としての地域形成が期待される地区である。ウォークラリーの開催や高校生の体験学習の受け入れなど、これまでにも、対外的なアピールに向けた取組は、進められてきた。しかしながら、JR土岐市駅前の中心市街地においては、現状では、必ずしも陶磁器の街としての雰囲気づくりが十分ではない。今後、中心市街地活性化基本計画に基づいて、陶磁器生産地らしいまちづくりが進められることが期待される。
また、当該地区は、「織部の里」の整備や美濃陶磁歴史館などの施設の立地など、文化ゾーン的性格をもつ地区となっており、今後、多様な歴史・自然資源を活かしての、一層の文化発信が望まれる。
なお、「織部の里」の位置する久尻区と、陶磁器事業所の集積している定林寺区との距離が離れており、その一体化が課題である。
(イ) 産業観光振興上の当該地区の課題
当該地区における産業観光を振興するうえで、当面の課題は、次の通りである。
●当該地区における、ウォークラリーの開催や高校生による体験学習の受け入れなど交流事業の実績が市内他地区に比べ多いことを勘案し、この分野の充実が必要である。
●元屋敷窯跡は、本市全体の観光の目玉として期待されるものである。当該地区においては、この施設を地区全体の産業観光振興に役立てることができるよう積極的な活用を推進する必要がある。
オ 当該地区での産業観光の目標
(ア) 観光客の対象とサービス提供内容の検討
当該地区は、陶磁器を介した観光への取組においてその実績が少なく、観光客を迎えるという意識が小さい。また、観光客が自然と足を向けるような、街並みとしての風格を備えているという印象も少ない。
このようななかで、当該地区の産業観光を振興させていくためには、受け皿としての整備はもちろんであるが、誘客すべき対象をより具体的に絞り込んだうえで、その観光客に対する積極的な施策展開が求められる。