3 モデル地区整備構想の検討
(1) 駄知地区整備構想の検討
ア 地区の概況
当該地区の、平成10年における陶磁器産業活動は、市内各地区のなかで、事業所数は第2位、従業者数は第1位、出荷額は2位である。なかでも、どんぶりの生産が盛んであり、その生産量は全国の約8割と、日本一の生産地になっている。
平成10年に隣接する丘陵の上の県道沿いに整備された、本市最大の集客力を有する施設である道の駅「どんぶり会館」は、このどんぶり生産を象徴するようなどんぶり型の外観を持つ。
周囲を丘陵に囲まれ、他の地区からは丘陵によって隔絶された盆地状の地形となっていて、日常生活を支える基本的な機能は地区内で充たせるような、独自の空間を形成している。市街地は狭い平地を中心に形成されていて凝集性が高く、陶磁器関連事業所の集積の密度も高い。
昭和初期の建築と思われる古い公共建築物や造り酒屋、かつて陶磁器の輸送などに用いられた鉄道(旧駄知線)の廃線敷や陶磁器生産のシンボルであったレンガ製の窯元の煙突などが残る。市街地中央には、小河川(不動川)が流れている。
秋に行われている駄知どんぶり祭りや、白山神社で行われる薪能(たきぎのう)は、多くの市民を集めている。