第4章 産業観光モデル地区整備構想
1 モデル地区設定の考え方
第3章で述べたように回遊性のある産業観光を実現するためには、各地区主導による個性的で魅力的なソフト・ハード事業の展開が前提となる。
それぞれの地区で、主体的に事業展開に取り組まれることが望まれるが、事業の検討・展開に際してどのように取り組んでいけば良いのか、その例を試案として示しておくことは、各地区住民の主体的な取組のうえでも、有意義であろう。
そこで本調査研究では、産業観光を振興していくうえで、他地区の先駆けとなって産業観光を牽引していく役割を担っていくことが期待される地区として、モデル地区を設定することとし、このモデル地区における整備構想を、検討することとする。
本調査研究におけるモデル地区整備構想では、地区の目標とする産業観光のあり方・方向性や、それを実現するために必要な事業例を明らかにするとともに、それぞれの地区で産業観光を振興するうえでの、関係団体や地区住民などの果たすべき役割及び市の取り組んで行くべき支援策を明らかにした。
なお、モデル地区整備構想の策定に当たっては、それぞれの地区の住民のなかから、これまでにも陶磁器関連のイベントの運営に携わってきた方や、地縁団体の代表など、今後の産業観光振興に向けた取組のなかでキーパーソンになりそうな方々からの協力をいただいた。しかしながら、各地区の住民一般に対して自発的な参加を呼びかけて策定したという形にはなっていないため、地区住民の主体的な取組の意向を、必ずしも、すべて反映させたものにはなっていない。したがって、今後は、本構想を一つの参考として、関係団体や地区住民の主体的な参加のもとで、それぞれの地区における産業観光振興策を立案し、実施していくことが望まれる。