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(2) 公共施設巡回バスの改善の方向

上記アンケートによる市民の意見を踏まえた公共施設巡回バスの改善の方向を、以下に示す。

 

ア 利用対象者について

(ア) 当面は高齢者のモビリティ確保に対応

a 高齢者の利用促進を目ざす

現状では、多くが市民病院への通院、羽島温泉の利用などにバスが使われている。このため当面は、車両及び運転手の人員などは現在のままで、(自動車を使えない)高齢者を中心としたバス利用者がもっと便利になるように、そのニーズを満たす最適な運行ルート、時間帯、増便などを再検討することが求められる。

 

b ニーズ把握のための実験

増便が利用の増加につながるかどうかについては、高頻度(少なくとも現在の2倍の便数)での実験を行い、大体の見通しを検証する必要がある。

なお実験において、車両及び運転手の増員確保が困難な場合は、奇数日と偶数日、または曜日別などに東西コースを隔日運行することなどが考えられる。

 

c 可能な範囲での運行頻度の向上

実験結果から、利用度(座席稼働率)の増加を確かめ、予算(財政支出)の制約下で許容される最適な運行便数を検討することになる。ただし、実験により利用者数の変化が見られない場合は、バス以外のシステムを検討することも大事である。

 

(イ) 高齢者だけの利用からの脱皮(ターゲットの拡大)

a 有料利用者の増加をめざして

高齢者以外の有料のバス利用者を増やせば収益性が向上する。限られた予算条件下では思い切った投資を行えず、利用対象者を(運賃収入がない高齢者のみに)限定しなければならないが、有料利用者の開拓によって採算性の向上(財政支出を低減)を図ることは望ましい。

 

 

 

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