参考:山梨県庁の見方
1] 県下の観光地評価
・県下の観光地を見ても、最近低迷しているところは行政主導型で観光振興を進めている地域である。一方、頑張っているのは河口湖町であろう。河口湖町は土地を民間に貸して、自由にやらせている。その結果、ドライフラワー、ハーブを売り物にするレストランが出るなど、様々な工夫が出現してきた。
・県下の温泉地帯、例えば下部(峡南圏)、湯村(甲府圏)は低調である。
・平成12年9月から県は観光振興キャンペーン(県としてはこのキャンペーンで120万人程度の観光客増を見込んでいる)を行う。各市町村もこれに呼応して、いろいろイベントや提案、工夫をしてほしい。
2] 八ヶ岳南麓地区の課題
・八ヶ岳南麓の問題は、地元の顔が見えないことである。例えば、小布施(長野県)や湯布院(大分県)などは地元の人が引っ張っている。南麓の観光事業者は(すばらしい)高原環境に依存しているだけで、経営上の工夫がないのではないか。
・小淵沢町のある八ヶ岳南麓一帯は、八ヶ岳の景観を除くと訴求力がない。すなわち、観光地やリゾートとしてのストックがない。観光地としての歴史が浅いせいもあるが、先ず生活環境を見直すことから始めるべきではないか。
3] 今後の全県的な観光振興
・山梨の知名度を向上するために、「ふじの国」という言葉を必ず冠につけることにした。県下では抵抗もある地域も出ているが、押し切った。山梨ロマン街道は観光ルートのCI戦略の一環でのネーミングとした。ハーベストリゾート構想は、もはや機能していないのではないか。
・ビジターズインダストリ(VI)は、交流人口を増やすことを目的にしたしかけを大事にしたい。VIは、もともとはコンベンションビジネスのことを指す。だが、大規模な会議・展示施設を作ることは考えていない。
・体験学習を重視するような地域もでてきている。名古屋からの修学旅行は、地元愛知県の企業で研修を受けると聞いている。こうしたことを山梨でもVIとして受け止めていきたい。
・県では、VIに関連して交流ニーズ発掘調査を行っている。市町村から受けた提案を審査し、VI推進補助金を出す。昨年度は、山中湖の「文学の森」に補助金を出した。今後は、農業、林業、商業および観光を軸にしたい。