日本財団 図書館


小淵沢町の農業を牽引しつつあるのはハウス花卉栽培を中心とした花卉類・花木の栽培であり、栽培面積は近隣町村に比べて大きく、農家の企業化や新規就農者の受け入れなどにも取り組まれている。

農業粗生産額は8億6,000万円(平成9年)で、昭和60年からの減少傾向から近年、増加に転じ、昭和50年代後半の水準にまで回復してきている。

小淵沢町の農業の課題は、急速に増えつつある遊休農地、耕作放棄地の利活用であり、新規就農希望者の受け入れ体制づくりを充実させることや、観光とのリンクによる新たな農業の魅力づくりなどに取り組む必要がある。

 

図表2-8 農業粗生産額

039-1.gif

出所)農業センサス

 

(3) 製造業

製造業を主体とする工業は、事業所数22軒、従業者数527人、製造品出荷額等189億4,100万円である(平成9年)。過去10ヶ年の推移では、事業所数は平成元年の33軒から微減傾向、従業者数は平成2年の545人をピークに平成4年(467人)まで減少、平成6年以降増加に転じている。出荷額等は平成7年まで概ね140億円〜160億円の幅での増減であったが、平成8年以降大きく伸び、200億円が目前の状況である。

従業員30名以上の事業所としては、八ヶ岳雪印牛乳、雪印乳業チーズ研究所、アルソア(化粧品)、日立国際電気、スリオンテック(粘着テープ)、クリスタルシステム(情報処理)があり、東京、名古屋といった大都市市場への利便性はじめ、豊富な地下水、澄んだ空気、八ヶ岳山麓一帯の酪農集積といった地域特性に叶った立地がみられる。また、アルソアは本社機能を町内に移し、地域の雇用創出にも寄与している。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION