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ウ 宿泊施設の状況

観光地にとり、宿泊施設のキャパシティは重要である。厚生省のデータ(衛生行政業務報告)からホテル・旅館の客室数の推移をみると以下のようになっている。

(ア) 全般的傾向

 

図表1-25 客室数の推移

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出所)厚生省「衛生行政業務報告」より作成

 

山梨県全体では、ホテルを中心に客室の整備が進んでいる。旅館の客室数は一時期減少するが、80年代から増加に転じ、その後90年代に入ると横ばいとなる。しかし、依然として山梨県内の宿泊収容力の大部分を支えているのが旅館である。

ホテル・旅館の客室数の伸びを全国べースでみると、80年前半までは全国の伸びを下回っているが、その後全国べースを上回る伸びを示す。一方、ホテル化が非常な勢いで進んでいることがわかる。

次に山梨県内では比較的多く立地しているペンション軒数を同報告でみる(注:ペンションは法律上簡易宿泊所として分類されるため、同報告でもその項目で軒数をひろっている。ただし、同報告による簡易宿泊所がすべてペンションであるとはかぎらない)。

山梨県下では、83〜85年頃(昭和58年〜60年)をピークに件数は減少し、近年は横ばいである。全国ベースでは山梨県のピークに先立つ2〜3年前にピークに達し、その後減少傾向が続いている。ペンションの撤退等経営環境の厳しさを示している。一方、山梨あるいは隣県の長野では、全国に比して80年代以降も増加傾向を示しているが、長野県は上昇後横ばいなのに対し、山梨県はピーク後減少傾向から横ばいへと推移している点で異なる。長野県はいったんは増加は頭打ちとなったが、冬季オリンピックの開催などもあり、横ばいを維持できたものと考えられる。一方、山梨県はペンションブームが去り、むしろ生き残ったペンションが数を示唆しているものと見られる。

 

 

 

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