3 小淵沢町および周辺主要リゾート・観光資源の分布状況
(1) 峡北圏および山梨県下
小淵沢町は、山梨県下では峡北圏に属している。峡北圏における観光資源の分布状況を整理する。ここで取り上げる観光資源の対象として山梨県のイメージとして代表される「自然(景観)を活かした資源」、「果樹」あるいは「武田信玄」に絡んだ信玄の秘湯など温泉を取り上げた。また、近年のガーデニングブームに伴う花や農業体験型施設なども取り上げることとした。
ア 峡北圏における観光資源分布状況
峡北圏には美術館・博物館、観光牧場および温泉が多く分布している。特に八ヶ岳南麓における静かな高原環境を踏まえ、文化性の高い美術館が多く立地していることがうかがえる。一方、山岳環境にありながら、スキー場が1つしかない。これは南麓という条件と冬季風が強く、雪が斜面に張り付かないためと考えられる。したがって、温泉はあるものの冬季の集客は期待できない地域である。
出所)日本観光協会「全国観光情報データベース」(2000年)および八ヶ岳のびのびマップより作成
近年のアウトドア志向からキャンプ場(オートキャンプ場含む)に対する人気は高いものがあり、家族連れで週末や休日にぎわうが、峡北圏ではキャンプ場の立地にばらつきがある。須玉町・高根町に集積しているが、小淵沢町にはキャンプ場はない。
また、最近農業構造改善事業や山村振興事業等を活用した農業公園やフラワーパーク整備が盛んであるが、峡北圏では明野村に山梨県フラワーセンター、小淵沢町には県の薬用植物園およびフィオーレ小淵沢(平成12年4月開園)がある。農業公園については、グリーン・ツーリズムなどの影響や土に触れたいという都会の生活者ニーズに対応する4ヶ所が整備されている。