(資料編)第1章 地域特性
1 自然地理的特性
○四方を川に囲まれた輪中の町。
○河川の氾濫など水害との戦いと共生の歴史と文化を有する。
(1) 位置・地勢
本町は、関東平野の中央部、埼玉県の東北端に位置する首都圏から60キロ圏内の田園地域である。
町の四方を川に囲まれた「輪中(わじゅう)の町」という特性をもち、南は利根川を境に埼玉県加須市に接するほか、東は渡良瀬川を境に茨城県古河市に、北は谷田川を境に栃木県藤岡町に、西は合いの川の堤防を境に群馬県板倉町に接する県境の町である。
渡良瀬川の氾濫を防ぐ目的で建設された渡良瀬遊水地が町の北側に位置する。
(2) 歴史・文化
輪中の町であるために、河川の氾濫による破堤や浸水(溢水、湛水)などの水害と戦ってきた歴史をもち、水害から町を守るため、町の四方は堤防となっている。
町内には、増水や浸水に備え、家屋の二階部分に居住空間を設けた「水塚」という建築物が現在も点在し、保存されている。また、この水塚には増水時の交通手段に利用される「あげ舟」が備え付けられており、これは、水とともに暮らしてきた本町独自の歴史と文化をしのばせる文化財である。
また、衆議院議員で足尾銅山の鉱毒問題解決や農民とともに利根川の治水問題に奔走した郷土の偉人田中正造の遺骨が西小学校に分骨されている。
(3) 交通
町の境がすべて河川に囲まれているため、「埼玉の陸の孤島」ともいわれたが、昭和47年の埼玉大橋の開通を契機に道路網が拡充されるなど、周辺地域および町内の交通アクセスが飛躍的に改善された。
鉄道をみると、JR古河駅の利用が多いものの、町内を走る東武鉄道日光線には「新古河」と「柳生」の2駅が設置されており、両駅から浅草駅までは準急でおよそ70分と鉄道交通の利便性が高まっている。宅地開発に伴い、停車本数が増加し、現在は1日に平日上り44本、下り43本が停車している。
町内には公共交通としてのバス路線がないので、移動手段は自家用車の利用が中心である。