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事例1 白山連峰合衆国

 

1 地域の概要

「白山連峰合衆国」を構成する石川県白山山麓の鶴来町、河内村、吉野谷村、鳥越村、尾口村、白峰村の1町5村は、霊峰白山、清流手取川に代表される豊かな自然を共有している。地域内の面積は約690km2、人口は約30,000人で、鶴来町を除いてはいずれの町村も高齢化率が2割を超えている。鶴来町では昔から一六市が開かれており、ここを物資の集散地としていた石川郡内の町村のうち平野部の野々市と美川両町を除く1町5村は、歴史的結びつきの強い地域であった。

 

2 「白山連峰合衆国」の建国

平成元年5月27日、ふるさと創生資金を利用して、観光振興を目的とする連合体「白山連峰合衆国」を建国した。「白山連峰合衆国」建国の草案は、同年2月の鶴来町、河内村、吉野谷村、鳥越村、尾口村、白峰村の6か町村の町村長会議で、河内村から提案され合意した。

 

3 組織体制

「白山連峰合衆国」は、鶴来町、河内村、吉野谷村、鳥越村、尾口村、白峰村の6町村から構成される任意団体で、法人格を有しない。毎年度各町村からの拠出金(各町村500万円)、県からの補助金500万円と一般からの寄付金で運営している。

組織構成は、「白山連峰合衆国憲章」で定められている。町村長の互選で選出する大統領(1名)、副大統領(1名)、国務長官(4名)のほかに、各町村の助役を次官、各町村の観光担当課長を審議官として、行政府を組織している。また、年に一度開催する定例総会(連峰議会)の議員は、各町村議長・副議長並びに各町村長が指名した有識者の計18名から構成している。監事については、各町村収入役と連峰議会の議員のなかから、それぞれ互選で2名ずつ計4名を選出している。

毎年度の事業計画は審議官が作成し、長官会議(各町村長で構成)などに諮ることになっている。実際には、大統領の補佐官と位置付けられている事務局長を中心とした事務局が、立案の中心を担っている。

 

4 事務局

事務局は、事務局長を含めた3名の職員で運営している。事務局長は、初代、2代目ともに民間出身者である。現在、石川県能美郡辰口町和佐谷の道の駅「しらやまさん」内に事務所を置いている。以前は、鶴来町内の空き店舗などに所在していたが、平成9年12月に現在地に移転した。

道の駅「しらやまさん」は、建設省が全額負担(8億2,500万円)して建設し、平成10年4月にオープンした。現在は、土・日曜日600名、平日150名程の入り込みである。道の駅の運営・管理は、「白山連峰合衆国」を構成する6町村と能美郡辰口町が出資して設立した(株)ピークスが、建設省から請け負っている。実際は、「白山連峰合衆国」事務局が(株)ピークスから受託し、維持管理にあたっている。

 

 

 

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