第6章 モデル事業
1 モデル事業選定の際の留意点
第5章まで概観・検討してきた点を踏まえると、今後の事業展開に際して留意すべき点は、以下のように整理することができる。
(1) 全国的な認知
3町は、八戸市、十和田市、三沢市に隣接し、それぞれの都市の外縁部を構成している。とくに、住民の就業先や通学先からも明らかなように、1つの町でも地区毎に関係の深い都市が異なる状況下にある。このままの状態で推移すると、町内のまとまりが弱くなり、ますます3市の外縁部としての性格を強めることになりかねない。
このような状況を回避し自立的で魅力的な地域づくりを推進するために、多様な人々と交流し、広く内外に地域をアピールすることによって、3町の全国的な認知を得る取組を推進し、周辺の都市と対等な立場に立てる状況を作っていかなければならない。
(2) 地域産業の活性化
自立的な地域づくりのためには、地域の人材が中心となった取組の展開とともに、経済的にも地域が自立する状況を作り出すことが必要である。地域特産物及び農産物加工品などのブランド化による高付加価値化や、地域連携による特産物の流通量の確保などによる、地域産業の活性化を図っていくことが求められる。
(3) 地域の人が楽しく、利益を受ける取組
どのような事業であっても、それに携わる人が魅力を感じないような取組であっては、長続きしない。先ずは、その事業に携わる地域の人が楽しく感じられるような取組でなければならない。また魅力という点では、これに携わる地域の人が、その事業から何らかの利益を受ける取組にしていくことが求めちれる。
(4) 地域としての一体感の形成
広く内外に地域の魅力を訴え地域に対する全国的な認知を高め、活力あるまちづくりを進めていくためには、地域が一丸となって取り組んでいくことが肝要である。こうした取組の前提として、地域の人材が結集し意思疎通を密にして、地域としての一体感の形成を図っていくことが不可欠である。