〔参考条文〕
○自治法第245条の4第1項
各大臣(国家行政組織法第5条第1項に規定する各大臣をいう。以下本章、次章及び第14章において同じ。)又は都道府県知事その他の都道府県の執行機関は、その担任する事務に関し、普通地方公共団体の事務の運営その他の事項について適切と認める技術的な助言若しくは勧告をし、又は当該助言若しくは勧告をするため若しくは普通地方公共団体の事務の適正な処理に関する情報を提供するため必要な資料の提出を求めることができる。
○自治法第245条の5第1項
各大臣は、その担任する事務に関し、都道府県の自治事務の処理が法令の規定に違反していると認めるとき、又は著しく適正を欠き、かつ、明らかに公益を害していると認めるときは、当該都道府県に対し、当該自治事務の処理について違反の是正又は改善のため必要な措置を講ずべきことを求めることができる。
○自治法第250条の13第1項(抜粋)
普通地方公共団体の長その他の執行機関は、その担任する事務に関する国の関与のうち是正の要求、許可の拒否その他の処分その他公権力の行使に当たるものに不服があるときは、委員会に対し、当該国の関与を行った国の行政庁を相手方として、文書で、審査の申出をすることができる。
(3) 国・地方公共団休の取りうる対応
以上を整理すると、特例政令規定事項に関し、国が地方公共団体の調達手続を政令違反と考える場合、国は、まず助言・勧告を行うこととなるが、この時点では地方公共団体には法律上の改善義務は生じない。
そこで、助言・勧告を受けた地方公共団体が何ら改善措置をとらない場合、国は、さらに是正の要求を行うことができる。是正の要求を受けた地方公共団体は法律上是正改善義務を負うこととなることから、当該地方公共団体は、是正の要求に従い是正改善措置をとるか、あるいはそれを不服として、是正の要求があった日から30日以内に国地方係争処理委員会に対し審査を申し出るか、二者択一の選択を迫られることとなる。
地方公共団体が国地方係争処理委員会に対し審査を申し出ることを選択した場合、自治法第250条の14第1項の規定に基づき同委員会において審査が行われ、その結果は理由とともに通知、公表される。
同委員会による審査の結果、国の是正要求が違法と判断された場合、それは地方公共団体の調達手続が特例政令に違反しないと判断されたことを意味するため、国は特例政令の解釈を改めるとともに、指摘を行った外国政府に対して、当該指摘は当たらない旨返答することとなる(1)。
逆に、同委員会による審査の結果、国の是正要求が違法ではないと判断された場合、それは地方公共団体の調達手続が特例政令違反であると判断されたことを意味するため、地方公共団体は必要な是正改善措置を講じなければならない。
〔参考条文〕
○自治法第250条の14第1項
委員会は、自治事務に関する国の関与について前条第1項の規定による審査の申出があった場合においては、審査を行い、相手方である国の行政庁の行った国の関与が違法でなく、かつ、普通地方公共団体の自主性及び自立性を尊重する観点から不当でないと認めるときは、理由を付してその旨を当該審査の申出をした普通地方公共団体の長その他の執行機関及び当該国の行政庁に通知するとともに、これを公表し当該国の行政庁の行った国の関与が違法又は普通地方公共団体の自主性及び自立性を尊重する観点から不当であると認めるときは、当該国の行政庁に対し、理由を付し、かつ、期間を示して、必要な措置を講ずべきことを勧告するとともに、当該勧告の内容を当該普通地方公共団体の長その他の執行機関に通知し、かつ、これを公表しなければならない。