さらに、都道府県に関しては、強制規格案又は適合性評価手続案につき、強制規格案の技術的内容が国際規格に適合しない場合等において、他の加盟国の貿易に著しい影響を及ぼすおそれがあるときなどには、強制規格案の対象産品等を事務局を通じて他の加盟国に通報することとされている。
(2) TRlM協定
本協定は、投資企業による自由な輸出入を通じた自由な貿易の確保を目的とし、その実現のために、海外直接投資に関連して行われる、物品の貿易に直接的に悪影響を及ぼす投資措置(地方公共団体の措置を含む。)を規制している。
本協定により禁止される措置の具体例としては、以下のとおりである。
1] 現地調達要求(ローカル・コンテント要求)
EX. 企業が国内原産品又は国内供給源からの産品を使用・購入するよう要求すること。
2] 輸出入均衡要求
EX. 企業が使用・購入する輸入産品の数量・価額を当該企業が国内で生産し輸出する産品の数量・価額に関連する量に制限すること。
3] 為替制限を通じた貿易制限措置
EX. 企業が利用することのできる外国為替を当該企業が輸出等により入手した外国為替に関連する量に制限することにより、当該企業が国内生産に使用する産品の輸入を制限すること。
4] 輸出制限
EX. 企業が産品を輸出することを制限すること。
ただし、本協定は、あくまでも物品の貿易に対して制限的・歪曲的な効果を有する投資措置を規制することを目的としており、投資自体の促進を主たる目的として、投資条件全般を扱おうとするものではない。
(3) 補助金協定
本協定は、国際貿易に悪影響を与えるような補助金の合理的な規制と補助金付産品の輸入により損害を受ける国がとることができる救済措置(協議要請、対抗措置の発動)等について規定している。
協定の適用対象は、政府又は公的機関による資金面の貢献であり、金銭の無償贈与に限らず、貸付、出資、債務保証、税額控除、物品やサービスの提供、物品の購入等も含まれる。政府は、中央政府及び地方政府の双方をさす。
ア 特定性(第2条)
補助金の交付対象が、明確に特定の企業若しくは産業、またはそれらの集団に限定されている場合等、その補助金は特定性のある補助金という。
イ 補助金の分類
補助金は、次の3つに分類される。
1] 禁止補助金(第3条)
輸出が行われることに基づいて交付される補助金及び輸出物品よりも国産品を優先して使用することを条件として交付される補助金
2] 相殺可能補助金(第4条)
特定性のある補助金(相殺不可能補助金の要件を満たすものを除く)
3] 相殺不可能補助金(第8条)
特定性を有しない補助金。なお、特定性を有する補助金であっても、研究活動に対する援助等は、相殺不可能補助金とされている。
ウ 救済措置(第3条、第7条、第9条)
次のような場合、当該補助金を交付している加盟国に対して協議を要請することができる。