資料:自治省
これまで、個別事業毎の沿革を見てきたが、これをまとめて公営企業全体としての大きな流れを見ると、公営企業はまず、それまで何も事業がないところに、一般行政の一環として公が路面電車、ガス、電気等を提供するという形で開始された。戦後、社会資本整備の必要性は高まったが、高度経済成長期以前は、資本力の欠如のため基本的には民間参入は困難であり、地方公共団体が地域の住民のニーズに応えてサービスを提供する必要があり、こうした状況の下、昭和27年に地方公営企業法が制定された。
ところが、その後の経済成長の結果、民間の資本力が向上し、多くの分野で民間参入が可能となり、水道・下水道事業を除いて、公営企業と民間の混在が見られるようになったことにより、今日、これらの分野における官民の役割分担が議論されるようになってきたのである。