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3 情報化の意義

 

地方公共団体にとって、情報化の意義は、「はじめに」で述べたように多岐にわたる。ここにおいては、本報告書の趣旨に沿って、以下の3つの観点に絞って分析していくこととする。

1. 効率化

2. 情報公開

3. 民間経営管理手法の導入の手段

 

(1) 効率化

地方公共団体の情報化の意義として先ず初めに挙げられるのが「効率化」の側面であろう。事務処理の面の代表例としては「電子決裁」が挙げられよう。また、通知等の回覧や、出張旅費の精算等をネット上で処理するといったことも、効率化を図る上での重要な取り組みである。また、申請・届出等の手続のオンライン化、証明書等の電子交付、電子入札は、それぞれ住民や業者の手続に係る負担を減らすと同時に地方公共団体の事務処理の効率化をもたらすものである。その他、各地方公共団体の創意工夫により様々な事務処理の効率化が可能となろう。

 

(2) 情報公開

情報化は、地方公共団体の情報公開に対しても大きな影響を与えよう。

先ずは、住民からの情報公開請求へ対応する際の手段としての面である。全国の地方公共団体において、それぞれ独自の情報公開条例の制定が進められているところであるが、情報化は情報公開の手段として非常に重要な位置づけを与えられよう。情報公開のあり方については、個人情報保護との関係、公開する情報の範囲、その公開方法等の論点において常に議論があるところではあるが、情報化はその公開方法につき変革をもたらすものである。すなわち、デジタルデータもしくは画像データとして情報を公開することを可能にするのである。これは、住民の情報公開請求の利便の向上に大いに役立つのみでなく、地方公共団体に事務の効率化をもたらす。

次に、情報化が情報公開に与える影響として重要なのが地方公共団体側から積極的に情報公開を行うことを可能にするという面である。地方公共団体の情報発信と言い換える方が適当かも知れないが、情報化により地方公共団体は、ホームページや電子メール等を駆使して、少労力で多数の人々に情報を提供することが可能となっている。今後ますます情報発信能力の差異が地方公共団体の行政サービス水準の差となって現れることとなろう。

 

 

 

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