3 NPOの意義
(1) NPOの類型
NPOは2類型に大別することができると考えられる。
まず、第1の類型は「専門家型」とでも言うべきものである。これは、ドイツ、米国等において典型的に見られるもので、たとえば福祉、まちづくり等について高度な知識を有する専門家の集団が報酬を得て専従職員として勤務するものである。これは、福祉国家が財政危機のもとで、これらの専門家を公務員として抱えきれなくなったために行われるプライバタイゼーションとしての面を有しており、また、専門家の側から見れば雇用の場と言うこともできる。この類型のNPO職員については、専門家(プロフェッション)としての倫理に忠実に活動することが強く求められるところであるが、一方で、一般にNPOの基本的性格として捉えられているボランティア精神の発露というようなものは必ずしも必須のものではない。
第2の類型は「地域活動型(テーマ型)」とでも言うべきものである。これは、地域社会の中である課題に的を絞って創造的・先進的に活動を行おうとするものであり、ボランティア精神に基づく素人集団としての性格が強い。
このように、NPOと一言で言っても、第1類型と第2類型とでは性格が大きく異なっており、両者を区別して議論を行う必要がある。