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「本日は第16回常任委員会にお忙しいなかご出席賜り誠に有り難うございました。常任委員会を日本で開催するのは2回目でありますが、何れも桜の花が咲く4月を選んでおります。前回は創立満5年が経った年の4月東京品川のパシフイックホテルで開催いたしました。今回は創立満15年を迎えた4月京都の都ホテルを会場に選びました。そして4月にしか開催しない都踊りを見ていただき、日本の文化の一端をご鑑賞いただきました。

また第1回目の東京の時はその年から研修生を日本に招く方法と銀鈴会の指導員を各国に派遣する方法の二つを採用して発声効果の向上を図って参りました。そして今回は創立後満15年が経ち、AFLA研修センターの建設問題が重要議題の一つになっております。何れにせよAFLAの事業の前進と転機につながることに注目いただきたいのであります。

さて、この度は折角遠路はるばる日本にお出でになりましたが、十分な歓待は出来ませんが私達の誠意あるところを認めていただければ有り難いと思います。

尚、AFLAは1997年に国連の協議委員の認定をいただき早くも4年になります。来年1月1日までに4年間の報告を出すことになっておりますので、11月頃ニューヨークに行く予定であります。

最後に今回の常任委員会を京都で開催するに当たり、地元の京都喉友会戸田会長に大変お世話いただきました。そして京都喉友会にはJICAのグループが毎回京都に来ますがその時も歓待していただいていますことをご披露申しあげ、併せて御礼申し上げます。これにて私の歓迎の詞といたします。」

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*久永会長より開会の挨拶があった。

「昨年からAFLAの責任者を仰せつかり、力を尽くして努めております。なにとぞ宣しくお願いもうしあげます。

AFLA創立以来15年が経過しました。毎年この会議において前年の実績の評価を行い、その評価を踏まえて本年の実施計画を策定するという作業を行ってまいりました。

もちろん、今回も同じ手順を踏みますが、15年という息の長い活動の成果を大切にするために今年は特に評価を厳しく計画策定は入念にしたいと考えております。

AFLAの活動を評価するということは簡単に考えてはいけないと承知いたしております。しかしながら、数字の上でも実状報告のなかでも明確になっていることは、永年発声指導員の養成を目指して来たのにもかかわらず、絶対的に発声指導員の不足が続いているということであります。

理想としてはマンツーマンの指導が望まれるところでありますが、現在最も条件の良いとされる日本でも全国2万人の喉頭摘出者について発声指導員は約2,000人に過ぎません。

AFLAのなかで人工の多い国々の場合には何万人という万単位の喉頭ガン患者に対し発声指導員はせいぜい百人まで10人単位の人数であります。

 

 

 

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