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第2章 海洋性レクリエーションと漁協との関係

 

第1項 海洋性レクリエーションの種類

 

1 スキューバーダイビング

ダイピンクは、一昔前までは、主に密漁に直結するものであったが、近年は、水産動植物は採捕しないで、海中観察をするいわゆるファンダイブと呼ばれるものが多くなっている。このようなダイビングを行えるよう漁協が特定の海域を開放し、ダイバーから料金を徴収している例や漁協が自営事業としてダイビングサービスを行うものが伊豆半島、紀伊半島、三浦半島、沖縄等に多くみられる。

 

2 ヨット・モーターボート

我が国のプレジャーボートの保有隻数は、現在30万隻を超えており、河川、漁港などにおける無秩序係留や漁具被害、遊漁による漁業とのトラブルが問題となっている。一方、漁協や漁業者がマリーナ事業を展開し、収入を得ている事例も多い。

なおスキューバーダイビングとヨット・モーターボート、ボートセーリングについては、特に漁業とのトラブルが多いこともあるが、一方相互の調整や話し合いが旨くいっている場合には、漁業者にとってプラスになってもいる。そこでこうした状況を踏まえ、漁業との関係について仔細を後述する。

 

3 ボードセイリング

近年、ボードセイリングについては定着した状況になっている。古くからボードセイリングが行われている地域では、これまで下記のような問題点も多かったが、水上バイクなど他のレジャーに比べ漁具被害なども少なく、騒音もないため、最近漁業者は大きな問題としていないようである。

ボードセイリングを行う者は、地元業者の施設を利用し、ボードも業者が保管するケースと、車にボードを乗せ、業者の施設を利用しない者に分けられる。その比率は地域によって大きく異なっている。

(1) 救助活動に関するもの

・遭難者の救助活動によって漁業操業に支障を生ずる。

(2) 漁業の被害に関するもの

・ウェーブのジャンプにより漁具が破損する。

・養殖施設や定置網の浮きなどを折り返しの目印に使う。

・定置網の漁獲への心配。

・しらす漁など磯辺の操業妨害

(3) 漁船の航行に関するもの

・漁船の前を横切り、漁船の航行が危険である。

・海上衝突予防法は、帆船であるボードセイリングを、動力船である漁船側が回避する義務があり、漁船の操縦に気をつかう。しかしボードセイリングが倒れていると、漁船から視認しにくく、危険である。

 

 

 

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