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5 おわりに

市内周辺部への居住空間の広がりが見られる本市では、「都心居住」という視点からの都心部のまちづくりよりも、中心市街地における活性化を含めたまちづくりのあり方について議論を深める必要があるものと考えられます。

かつてのバブル経済の中、地価の暴騰や住宅家賃等の急騰などが進み、より経済的負担の少ない周辺部へと人々は転出し、都心部における常住人口が減少して、いわゆる空洞化が見られます。

特に本市は、前段で検証したように21世紀を担う若年・中堅ファミリー層が多く住む都市であり、地価や住宅家賃等の高騰はこれら市民の負担能力をはるかに越えるものであったと考えています。

都心部で商業を営む経営者の跡継ぎとなる若者などでさえ、地元に住まいを求めることができず、やむをえず周辺部へ転出(転居)している状況がみられます。

こうした都心部における人口の空洞化は、都心部の生活環境や地域コミュニティーの崩壊を招き、「まち」としての魅力や活力の喪失をもたらしたと言っても過言ではないと考えます。

このような問題から考えると、最近の地価や住宅家賃等の下落傾向は本来利便性の高いところに住みたいと願っている人々を都心部へと呼び戻すこととなり、都心居住の視点からは大いに望ましいことと理解できるのではないでしょうか。

一方、行政をはじめまちづくりに関わる人々は、魅力ある都心づくりを積極的に進めることにより、人々がここに自ずと集い、住むまちづくりに努めていかねばなりません。

まちは、そしてまちのにぎわいは、ひとが集うことによってうまれてくるものであり、こうした中から都市の活力、大都市としての持続的な発展がうまれてくるものと考えます。

わが千葉市としては、全国に誇り得る政令指定都市として、また、首都圏の一翼を担う業務各都市として、21世紀にさらなる飛躍を期し、『人とまち いきいきと幸せに輝く都市』をめざしていくこととしています。

 

 

 

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