4 事例紹介(汐留地区)
センター・コア・エリアでは、品川、六本木、汐留といった鉄道の結節点で、業務、商業、居住等の多機能複合開発が行われている。
新幹線新駅が開業し交通の利便性がさらに高まる品川駅東口地区においては、土地区画整理事業により、分譲・賃貸の超高層住宅棟を含む大規模複合開発が行われる。
都営地下鉄大江戸線の開通により地下鉄の結節点が強化される六本木駅周辺では、防衛庁檜町跡地における整備や、六本木六丁目地区の市街地再開発事業等による拠点開発が進められる。
さらに、汐留地区では、土地区画整理事業と再開発地区計画が同時に進められ、ホテル、劇場、レストランなどの文化交流機能や業務、居住機能等が複合したまちづくりが行われている。
汐留地区は、浜離宮恩賜庭園に隣接し、JR山手線、都営地下鉄大江戸線、東京臨海新交通臨海線(ゆりかもめ)が結節し、都内最後の大規模開発プロジェクトとも言われている。この汐留の街づくりについて、以下に紹介する。
(1) 汐留の歴史
明治5年(1872年)に日本最初の鉄道が新橋・横浜間で営業を開始し、汐留は、「新橋ステーション」のおかれた鉄道発祥の地として発展する。その後東京駅が開設すると貨物ターミナルとなり、さらに東京貨物ターミナルの開業によって1986年に汐留貨物駅も廃止となった。
都心に残された31ヘクタールの跡地の利用をめぐり、都を交えた汐留地区街づくり協議会が設置され、官民一体となった活動が行われた。
汐留地区街づくり協議会
汐留地区街づくり協議会は、1995年12月、自主的な街づくりについて意見交換したり、東京都や港区との連絡調整をする場として設立された。会員は土地区画整理事業区域内の宅地の所有者と宅地の借地権者全員で、東京都と港区が特別会員となっている。