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1] コミュニティ再生論

コミュニティの崩壊を防ぐためには、一定程度の規模の人口が必要であり、特に今までのコミュニティを維持するには、住民の転出をくい止めるべきであるという考え方である。

2] 既得生活権擁護論

住民は基本的には住み続ける権利があり、その権利は既得権として擁護されるべきという考え方

3] セキュリティー論

人がいることにより、都市の防犯性・防災性が高まるという考え方である。

4] 複合開発論

快適性を高めるために、複合市街地の形成が必要であり、そのために、住宅を一定程度含めるべきであるという考え方である。

5] 都市構造論(職住接近論)

遠隔地居住による通勤負荷の増大は、社会的費用が大きいという考え方。

6] 近居隣居論

今後、ますます少子高齢化が進行し、子供数が減少することにより、高齢者との同居、近居が必要であるという考え方である。

7] 適正密度論

良好な都心環境を形成するにあたって、適正密度を満たす程度の住宅は供給すべきであるという考え方。

8] 施設水準

一定水準の生活環境を維持するには、一定規模の人口集積が必要であるという考え方である。

9] 社会安定論

都心部からの急速な人口減少は、社会の安定性を崩すという考え方。

10] 混合安定論

地域が一つの用途に純化すると、世の中の変化に対して脆弱になるという考え方。

11] 家庭内・地域コミュニケーション阻害論

長距離通勤で家庭内コミュニケーションや地域コミュニティ活動の時間が減少するという考え方。

 

(2) 都心居住推進の論拠の整理

上記のように、これまで都心居住施策を進める上で指摘されてきた都心居住の意義・理由については、必ずしも論理的でない論拠も見受けられる上、以下の二つの論点が、混在している。

 

A 都心の人口が急速に減少することに伴うデメリット

(又は急速な人口減少を防止することのメリット)

→経済学的には「調整費用」の問題という。

 

B 都心の現行人口レベル自体が低すぎることによるデメリット

(又は人口を適正レベルに維持することによるメリット)

 

 

 

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