■オーストラリアにおける今後の観光振興の課題
○当面、国内観光を中心とした、地域レベルの観光開発(regional tourism development)が課題である。
○現在、国際観光は、全体の30%を占めるに過ぎない。70%が国内観光である。ただし、国際観光が年間7%の成長率を示しているの対して、国内観光は横ばいである。10年後には、国際観光の割合が40%に達するとの予測もある。
○個別の地域の観光振興を通じて、こうした国際観光の受け皿も、シドニーなど大都市周辺だけでなく、より広い地域に拡大することが見通される(大都市以外の地域で、1泊以上宿泊する海外観光客は、ほとんどいないということが背景としてあげられている)。大都市以外の地域でも海外からの観光客を受け止めることができるようにするという方向で観光振興を実現するためにも、地方自治体のリーダーシップが重要である。
○実際問題として、地方(rural area)や農村地域(agricultural area)では、観光に対する抵抗感が根強いのも事実である。当然、過疎化が進む田園地域の再活性化は必要であるが、観光には抵抗感がある場合が多い。
○ワインツーリズムは、戦略的な取り組みのひとつである。実際、ワイン観光は、海外観光の約10%を占める。ただし、ワイン関連産業は、自分たちを観光関連産業としては、考えておらず、やりにくいところもある。
■その他
○現在、APECとして、カナダのイニシアチブのもとで、観光に関する憲章のとりまとめ作業が進められている。
○(観光によるメリットをいろいろな関係主体でシェアするための仕組みがあればその例を教えて欲しいときいたところ)、税金などケースバイケースでいろいろとの答え(具体例はでてこなかった)。
○Regional Tourism Programに関するパンフレットをはじめとして各種の資料を入手。